徹底解説 帰化申請のポイント

帰化申請とは?

日本に住んでおられる外国人の方の中には、日本国籍の取得をお考えの方もおられると思います。

通常、外国人の方が日本国籍を取得するためには、

  • 結婚している両親の片方が日本人でその間に生まれた子供
  • 外国人の母親のお腹にいる間に、日本人の父親に胎児認知をしてもらった子供

などの限定された状況でのみ取得することができることになっています。

それ以外の外国人の方が日本国籍を取得するためには、「帰化申請」という手続きを行う必要があります。

ここでは、日本国籍を取得できる帰化申請について、申請の要件や流れ、必要な書類などについて見ていきましょう。

帰化の要件

帰化申請を行うためには、国籍法という法律で決められたいくつかの要件を満たすこととされています。

  • 「居住要件」 原則として継続して5年以上日本に住所があること
  • 「能力要件」 20歳以上であること
  • 「素行要件」 素行が善良であること
  • 「生計要件」 自己や配偶者によって生計を営むことが可能であること
  • 「国籍要件」 帰化する際に、母国の国籍を失効できること
  • 「思想要件」 テロ行為を企てるなどの危険な思想を持っていないこと
  • 「日本語能力」日本語の読み書きができること ※小学校低学年の読み書きのレベル

各要件の詳細については、細かな取り決めがありますので、詳しくは「徹底解説 帰化の要件」で記載していますので、ぜひ参照くださいね。

帰化申請の流れと期間

帰化申請の流れは、おおむね次のとおりとなっています。

おおむねといいましたが、帰化申請の申請先は申請人の住所地を管轄する各都道府県の法務局となっています。

各法務局では申請の取り扱いについて若干の差があるため、以下には一般的な流れについて記載しておきますね。

また、期間については、申請から面接までは4~5カ月程度、面接から結果が出るまで4~5カ月程度の期間が必要となります。

よく半年程度で許可が下りるなどの情報もありますが、以前よりも申請に必要な書類も増え、申請件数自体も増えているため、どうしても1年近くの期間は必要になる思っておいたほうが良いと思います。

5年くらい前までは、ほんとに半年程度で許可が下りるなどもあったんですが、今はまずありえません。

帰化の決意

帰化申請手続は、手間も時間もかかる大変な作業となります。

絶対に帰化するという強い気持ちがないと、申請を途中であきらめることになりかねません。

専門家(行政書士等)へ依頼

帰化の決意が固まったら、専門家(行政書士)に依頼することも考えましょう。

もちろん帰化申請手続は申請者ご自身で行うことも可能ですが、多くの方が仕事との両立が難しいなど挫折されているも事実です。

法務局での帰化相談(事前相談)

ここからが本格的な帰化申請手続になります。

最初は、法務局での帰化相談(事前相談)となります。

現在の状況などを担当官に説明した上で、帰化申請に必要な書類が指示されることになります。

提出書類の収集・作成

法務局で帰化相談(事前相談)を行った後、帰化相談(事前相談)時に指示された書類の収集・作成にとりかかります。

提出書類には、申請者ご自身が作成する書類や役所で取得する書類や会社から発行してもらう書類などがあります。

また、、外国語で記載されている書類には、日本語への翻訳文をつけ翻訳者の住所・氏名などを記載する必要があります。

申請

提出書類が揃った時点で法務局に帰化申請を行うことになりますが、準備書類が誤っていたり、不足書類がある場合などには受付がなされない場合があります。

そのような場合は、もう一度書類を整えて、再度申請を行う必要があります。

面接

帰化申請後、申請者ご本人への面接が行われます。

面接の内容としては、申請書類の中身について、変化や誤りがないかどうかや帰化申請を行おうと思った動機、ご家族の状況などについて質問を受けることになります。

また、この面接時に追加提出書類を指示される場合もあります。

許可・不許可の決定

最後に法務大臣の決裁を経て、帰化申請の許可・不許可が決定されることになります。

許可・不許可のいずれの場合も、法務局から申請者本人に通知があり、許可の場合には、「身分証明書」という帰化の許可証を発行してもらうことになります。

帰化申請の必要書類

帰化に必要な書類は、国籍や職業、家族関係によって各申請者ごとに異なってきます。

また、申請する都道府県によっても必要書類が若干異なりますが、ここでは、帰化申請において必要とされる主な書類を挙げておきますね。

  1. 帰化許可申請書
  2. 親族の概要を記載した書面
  3. 帰化の動機書
  4. 履歴書
  5. 卒業証明書、在学証明書、成績証明書
  6. 技能、資格を証する書面
  7. 国籍及び身分関係を証する書面
  8. 在留カード(又は特別永住者証明書)
  9. 宣誓書
  10. 生計の概要を記載した書面
  11. 在勤及び給与証明書
  12. 事業の概要を記載した書面
  13. 確定申告書控、決算報告書、許認可証明書等
  14. 源泉徴収票、各種納税証明書
  15. 居宅・勤務先・事業所付近の略図
  16. 写真
  17. その他

作成する必要がある書類

帰化許可申請書

帰化許可申請書は、帰化をしようとする人ごとに作成する必要があります。

作成した正副2通それぞれに申請者の写真(5cm×5cm)を添付します。

申請者の署名は、受付の際に申請者の自筆が必要になるため、空欄のままにしておきます。

親族の概要書

この書面に記載する親族の範囲は、申請していない同居の親族のほか、配偶者、申請者の親(養親含む)・子(養子含む)・兄弟姉妹、配偶者の両親、内縁の夫(妻)、婚約者となっています。

また、これらの親族の中に亡くなった方がいる場合は、その方についても記載する必要があります。

履歴書 

申請者の経歴を出生の時から空白期間のないように詳しく記載する必要があります。

職歴については具体的な職務内容も記載します。

履歴書に記載した内容を証明するために次の資料を添付しなければならない場合があります。

  •  運転免許を有する場合は、「自動車運転免許証の写し」
  •  技能や資格を有している場合は、「技能資格を証する書面」
  •  中学校以上の卒業者は「卒業証明書」、在学中の場合は「在学証明書」など
  •  在職者は、「在勤証明書」

帰化の動機書

申請者本人が自筆する必要がありますが、特別永住者の方と15歳未満の申請者の方は提出不要です。

動機書の書き方については、詳しくは「動機書の書き方」で記載していますので、ぜひ参照くださいね。

宣誓書

申請の際に、申請者本人が自筆で署名する書類となります。

日本国籍を取得した後も変わらず法律を守りますという内容が記載されており、担当官の面前で読み上げた後に、署名することとなります。

15歳未満の申請者は提出不要です。

生計の概要書

申請者、配偶者、生計を同じくする親族の収入や支出、資産などの状況について、具体的に記載する必要があり、給与明細や預金通帳の写し、土地・建物の登記簿謄本などを提出し、内容を証明することになります。

事業の概要書

会社経営者、会社役員、個人事業主などである方は作成する必要がある書類となり、複数の事業を行っている場合には、一つの事業ごとに作成する必要があります。

どのような事業を行っているのか、売上や収益についての状況、取引先の情報などを記載することとなります。

事業の概要書に記載した内容を証明するために、確定申告書、決算報告書、法人の場合は履歴事項証明書、許可が必要な業種の場合は許可証の写しなどを提出する必要があります。

自宅付近、勤務先、事業所付近の略図

最寄の交通機関からの経路、所要時間等を記載しますが、過去3年以内に住所や勤務地に変更のある場合は、前住所や勤務地についても作成する必要があります。

本国から取得する書類

帰化申請を行う場合に出身国によっては、本国の書類を取り寄せる必要がある場合があります。

本国法によって行為能力を有することの証明書

本国の成人年齢・行為能力の制限を定めた法令や申請者の年齢を証明したもので、原則として本国の官公署が発効したものを提出する必要があります。

ただし、次の場合には省略することが可能な場合もあります。

(1)日本国民の配偶者

(2)日本国民の子 ※縁組のときに本国法により未成年であった養子で、かつ、1年以上引き続き日本に住所を有する人を含みます。

(3)日本の国籍を失った人(日本に帰化した後、日本の国籍を失った人を除きます。)

(4)日本で生まれ、生まれた時から無国籍で、生まれた時から引き続き3年以上日本に住所を有する人

国籍証明

本国の官憲または在日大使館の発行する国籍証明書を、翻訳者記載の「日本語訳文」とともに提出します。

  •  韓国の方は、各種証明書を提出します。⇒韓国国籍:家族関係登録制度
  •  台湾の方は、戸籍謄本を提出します。
  •  中国の方は、公証書を提出します。⇒中国国籍:公証書制度

本国(母国)の戸籍・除籍謄本

申請者本人の父母、配偶者がいる場合は配偶者の父母の記載のあるものが必要です。

翻訳者名記載の「日本語訳文」とともに提出します。

 ・台湾の方は、出生地・父母の婚姻時から現在までの兄弟姉妹を含む身分事項のわかる戸籍謄本を提出します。

 ・韓国の方は、従前の戸籍制度の「除籍謄本」を提出する必要がある場合があります。

 ⇒韓国戸籍:家族関係登録制度について

旅券(パスポート)の写し

旅券(パスポート)を所持している人は、旅券の写しを提出する必要があります。

スタンプ・消印のあるページの全ての写しを提出します。

日本の国籍を取得することによって、本国の国籍を失うことの証明書

中国では国籍証明書、台湾では内政部国籍(喪失)許可書、フィリピンでは国籍離脱証明などがありますが、それぞれ、申請直前に取得するものや、申請後に取得するもの、若しくは許可が下りた後などに取得するものなど、国籍によって異なります。

官公署で取得する書類

以下の書類が、日本の各行政庁で取得する必要がある主な書類となります。

戸籍謄本

以下に該当する場合は、該当する日本人の戸籍謄本を提出します。

また、転籍している場合には「除籍謄本」も提出します。

  •  申請者の配偶者が日本国民のとき
  •  申請者の子が日本国民のとき
  •  申請者の婚約者が日本国民のとき
  •  申請者の父母が日本国民のとき
  •  申請者の兄弟姉妹で帰化した人がいるとき

各種記載事項証明書

  • 申請者が日本において出生している場合
  • 婚姻、離婚、養子縁組等をしている場合
  • 父母等が日本で婚姻、離婚、死亡している場合

上記のいずれかに当てはまる場合には、該当する次の資料を提出します。

  • 出生届の記載事項証明書
  • 死亡届の記載事項証明書
  • 婚姻届の記載事項証明書
  • 離婚届の記載事項証明書
  • 親権者変更届の記載事項証明書
  • 養子縁組届の記載事項証明書
  • 認知届の記載事項証明書
  • 就籍の審判書

住民票の写し

配偶者(内縁の夫・妻含む)や同居人に日本人がいる場合には、該当する日本人の住民票を提出する必要があります。

在留カード(若しくは特別永住者証明書)

申請人および同居している外国人全員の在留カード(若しくは特別永住者証明書)を提出します。

都道府県民・市区町村民税の納税証明書

都道府県、市町村それぞれの住民税の納税証明書を取得します。

個人の場合はもちろん、法人(会社)を経営している場合には、法人の各納税証明書を取得する必要があります。

最近1年分若しくは2年分を提出する必要があり、非課税の場合でも、「非課税証明書」を添付する必要があります。

また、未納部分がある場合は、納付してから取得する必要があります。

所得税(又は法人税)納付証明書(その1・その2)

消費税及び地方消費税納税証明書(その1)

法人の経営者や個人事業主はそれぞれ対応する国税(所得税又は法人税)の納税証明書を取得する必要があります。

最近2年分若しくは3年分の証明書を取得する必要があります。

運転記録証明書

運転免許証を持っている場合には、自動車安全運転センターが発行する過去5年分の運転記録証明書を提出します。

また、運転免許証が失効した人や取り消された人は、運転免許経歴証明書を提出します。

年金記録証明

都道府県によっては、健康保険証の写しや年金記録証明を提出する必要があります。申請前の直近1年間に未納がある場合は、納付する必要があります。

また、法人経営者の場合は、社会保険の領収証の直近1年間分の提出が必要となります。

勤務先等から取得する書類

勤務先や経営している法人で準備する必要がある書類は、主に以下の通りとなります。

必要書類一覧

給与明細・在勤給与証明

申請前一ヶ月分の給与明細のみで良い場合もありますが、会社から在勤給与証明を発行してもらう必要がある場合があります。

給与所得の源泉徴収票、源泉徴収簿及び納付書

源泉徴収票は申請の前1年分が必要となります。

法人経営者の場合は、申請の前1年分の源泉徴収簿や納付書が必要になります。

所得税の確定申告書又は決算報告書の写し

申請者や同居人が、以下のいずれかの場合には、確定申告書や決算報告書の提出が必要になります。

  1.  サラリーマンで2箇所以上の勤務先から給与をもらっている人
  2.  サラリーマンでもみずから確定申告をしている人
  3.  個人事業主や法人経営者などの事業経営者

事業経営者のその他の必要書類

給与所得者(サラリーマン)よりも事業経営者の場合が多くの書類おの提出が必要となります。

必要となる書類には、以下のものなどがあります。

法人登記簿謄本

法人を経営している場合、法人の登記簿謄本を提出する必要があります。

営業許可書や許認可証明書

許認可の必要な事業の場合には、許可証の写しや許可証明書を提出する必要があります。

会社所有の「土地登記簿謄本」「建物登記簿謄本」又賃貸借契約書

会社が所有者となっている土地や建物がある場合には、土地・建物の登記簿謄本、賃貸している場合には賃貸借契約書の写しなどを提出します。

所得税や社会保険の領収証、各種納税証明書等

税金や年金の領収証、法人税・事業税などの納税証明書などが必要となります。

帰化申請後の注意点

申請後の注意事項

申請を行った後、許可が下りるまでの間に、次の事項に変更があった場合には、法務局の担当官に連絡する必要があります。

  1. 住所又は連絡先が変わったとき
  2. 婚姻・離婚・出生・死亡・養子縁組・離縁など身分関係に変動があったとき
  3. 在留資格や在留期間が変わったとき
  4. 日本からの出国予定が生じたとき及び再入国したとき ★注1
  5. 勤務先等が変わったとき
  6. 帰化許可申請書に記載済みの帰化後の本籍・氏名を変更しようとするとき
  7. 罪を犯した(交通違反を含む)とき ★注2

その他の注意点

★注1

海外旅行等で出国する場合は、原則として帰化の審査に影響はないのですが、申請後にあまりにも長期間の出国などは審査に影響を及ぼす可能性があります。

申請後の一ヶ月以上の出国などはあまり好ましくありません。

★注2

交通違反等をしてしまったときには、法務局へ報告する必要があります。

軽微な事故であれば、それほど問題にはなりませんが、大事故を引き起こしてしまった場合などは帰化申請への影響も大きくなります。

申請後には、細心の注意をもって、運転をされるべきです。

帰化許可後の手続等

帰化が許可されると、その後いろいろな手続を行う必要があります。

主な手続は、以下の通りとなります。

帰化の届出

帰化が許可されると、法務局から身分証明書が交付されます。

1ヶ月以内に身分証明書を添付して、現居住地または新たに定めた本籍地の市町村役場へ「帰化の届出」を提出しなければなりません。

その後、1週間程度で、「戸籍謄本」を取得することができます。

在留カード(又は特別永住者証明書)の返納

帰化の許可が下り、外国人ではなくなりましたので、在留カード(又は特別永住者証明書)を入国管理局へ返納する必要があります。許可が下りた日から14日以内に返納します。

その他の手続き

  • 運転免許証やパスポートなどの各種公的書類の変更や取得が必要となります。
  • 不動産の名義や自動車の名義などの変更が必要な場合は行います。
  • 母国の国籍喪失手続が必要な場合は行います。

ひかり行政書士法人では、許可が下りるまでだけがサポートと考えておりません。

許可後のアフターケアについても無料でサポートさせていただいております。

初回相談は無料にて承っております。お電話とメール、ご都合のよい方法でご連絡ください。(ご来所での相談をご希望の方は、お電話・メールでご予約ください)

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